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契約書に契約当事者でない者の義務を記載した場合にその者に義務は生じるでしょうか。
契約書において契約の当事者となっていない者の義務に関する条項が設けられていることがあります。しかし、契約により義務が生じる根拠は、契約の当事者として契約締結の意思表示をしたことに求められますので、契約当事者以外の者がこのような条項により義務を負うものではありません。例えば、A社とB社が締結した契約書に、「B社が債務を支払わないときは、C社が債務を支払う」といった条項がある場合、たとえC社がB社の子会社であったとしても、それだけでC社に義務が生じることにはなりません。C社に義務を生じさせたいのであれば、ABCの3者を当事者とする契約書を作成する必要があると考えます。なお、A社とB社との契約において、C社に一定の義務の引受を条件に一定の権利を付与する旨を規定した場合に、C社が後日これを受け入れる意思表示をした場合には、いわゆる第三者のためにする契約としてC社が有効に権利義務を取得する可能性があります(民法537条)。
作成日:2022年01月12日
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