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複数のファンドをGPとして運営している場合、GPとしてファンド間の公平等に配慮する必要はあるのでしょうか。

※適格機関投資家等特例業務に関しては、改正法の施行による変更が予定されています(2015年6月現在)。
金融商品取引法上の投資運用業に該当する場合には、同法において一定の禁止行為が規定されており、自己又はその取締役等との取引による運用、運用するファンド相互間の取引による運用など、利害相反の問題をはらむ運用行為が原則として禁止されます。適格機関投資家等特例業務の場合には上記規制は適用されませんが、法令上ファンドの運営者としての善管注意義務を負います(民法第671条、第644条、投資事業有限責任組合契約に関する法律第16条、有限責任事業組合契約に関する法律第56条等)。そのため、あるファンドを犠牲にして他のファンドの利益を優先するような運営を行った場合、当該犠牲になったファンドの組合員に対して善管注意義務違反となる可能性があります。運用の自由度を確保するためには、ファンド間の取引が可能であることや、いずれのファンドから投資を行うかについてGPの裁量で決定できることを、組合契約において規定しておいた方が良いと考えられます。もっとも、その場合でもGPとしての善管注意義務を尽くす必要はあることになります。
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