突然ですが、皆さんは出会い系サイトを使ったことはありますか?大多数の男性は共感してくれると思うのですが、僕は、大学時代は一時期とっても彼女が欲しかったので、出会い系サイトの利用を検討したことがあります…ただ、どうしてもサクラに騙されるという印象が拭えなかったので、臆病にも(?)利用はしませんでした。最近は、実名SNSと連携するような出会い系もあり、かなり実用度が上がってきているという話も聞くので、今どきの大学生が羨ましい限りです…
さて、僕の悲しい大学時代の話はこれくらいにして、今回は、「これって出会い系?」というタイトルで、ネット系のビジネスにおける、出会い系モデルについて解説します(出会い系モデルって書くと、サクラの女の子みたいな印象を受けますね。)。
◆出会い系とは?
よくネット系のビジネスモデルについて、「これって出会い系だと言われたのですが、そうなのでしょうか?」「出会い系だとまずいのでしょうか?」という質問を受けます。
まずは用語の意味を正確に理解しましょう!
法律の規制を受ける出会い系とは、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘因する行為の規制等に関する法律」(一般的に「出会い系サイト規制法」と略されています。)に定める「インターネット異性紹介事業」をいいます。
このインターネット異性紹介事業に該当しては“いけない”というものではありませんが、インターネット異性紹介事業に該当すると、事業を開始しようとする日の前日までに、事業の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会に届出をする必要があり、児童(18歳未満の者)による利用を防止する努力義務、児童の利用の禁止の明示義務、ユーザーが児童でないことの確認義務などを負うことになります。
逆に、これらの義務を果たすのであれば、適法なビジネスモデルであり、違法性があるものではありません。従って、正面から「出会い系です!」と胸を張って、ビジネス展開することも一つの選択肢です。
フランスの出会い系サイト「Meetic」はユーロネクストに上場しており、中国の出会い系サイト「世紀佳縁(Jiayuan )」は米国ナスダックで上場しています。日本においても、ツヴァイがいわゆる結婚相談所として上場しており、ネットを利用した出会い系も上場可能になってきているという話もあります。
ただ、上記のような規制を回避する目的や、企業イメージの問題等から出会い系への該当性を回避するにはどうするべきかという依頼をよく受けるため、この点について説明します。
◆婚活サイト“愛”、合コンサイト“LOVE”
たとえば、下のサイトは出会い系でしょうか。
(1) 婚活サイト“愛”(仮称)
・ 婚活サイトを企画。
・ 婚活サイトなので、当然、男女の性別を明記して申し込み、顔写真もアップ。
・ 学生時代に一緒のクラスの人だった人のみをマッチングする仕組み。相手が面識なしと言ったらマッチングしない。
・ 個別に会話をできるメッセージ機能付き。
さあ、これは「出会い系」でしょうか?完全に「出会ってる!」って感じがしますよね。
でも、答えはNoです。
出会い系サイト規制法における「インターネット異性紹介事業」の要件の一つ(後述の①)に、面識がない男女を紹介することがあります。
婚活サイト“愛”は、面識がある人しか紹介しないシステムになっているため、「出会い系」に該当しないのです。
(2) 合コンサイト“LOVE”(仮称)
・合コンサイトを企画。
・合コンサイトなので、当然、男女の性別を明記して申し込み、顔写真もアップ。
・日本全国の男女が合コンに参加可能。
・合コン設定はチャット方式。チャットはオープン型で誰でも見ることが可能。
次にこの合コンサイト“LOVE”はどうでしょうか?
う~ん、全く面識のない男女をマッチングしていますね。
これは完全なる男女の出会いの実現の場ではないか!?
しかし、これも答えはNoです。
「インターネット異性紹介事業」の要件の一つに、相互に一対一の連絡ができるようにすること(後述の③)があり、掲示板のように書き込みが公然性を有するものは該当しません。
合コンサイト“LOVE”ではオーブンなチャット方式なので、これに該当しないのです。
◆各要件を慎重に検討しましょう!
どうでしたか?
法律的な該当性を検討する場合には、イメージではなく、要件への該当性を慎重に検討する必要があります。 「インターネット異性紹介事業」の要件は以下のとおりとなります。下記①から④の全ての要件に当てはまるもののみが、出会い系サイト規制法の適用を受けます。
① 面識のない異性との交際を希望する者(異性交際希望者)の求めに応じて、その者の異性交際に関する情報をインターネット上の電子掲示板に掲載するサービスを提供していること
② 異性交際希望者の異性交際に関する情報を公衆が閲覧できるサービスであること
③ インターネット上の電子掲示板に掲載された情報を閲覧した異性交際希望者が、その情報を掲載した異性交際希望者と電子メール等を利用して相互に連絡することができるようにするサービスであること
※この点は、警察庁が出している「インターネット異性紹介事業」の定義に関するガイドラインにおいて、相互に一対一の連絡ができるようにすることを意味し、公然性を有するものは該当しないとされています。
④ 有償無償を問わず、これらのサービスを反復継続して提供していること
「出会い系かも?」と思ったら、上記①から④の要件にあてはめて慎重に検討してみてください。
心配な場合は、AZXにて無料でビジネスモデル審査をしているので、こちらもご利用ください。
※上記のサイト例は、説明の便宜のためにこちらで架空の設定をしたものであり、実在するサイトとは一切関係ありません。