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ベンチャーキャピタルが、投資後に、投資対象会社に他の会社との取引についての紹介行為を行う場合の留意点は?
その紹介内容によっては、ベンチャーキャピタルの投資家としての利益と、発行会社の利益との相反関係が生じる場合があり、そのような紹介行為によって生じた問題を巡って後日トラブルになるケースが考えられます。たとえば、(a)投資対象会社のM&Aによるエグジットを図ろうとして買収候補先の会社をベンチャーキャピタルが紹介するような場合や、(b)ベンチャーキャピタルが投資している他の会社との業務提携を提案するような場合に、利益の相反が生じる可能性があります。それゆえ、(i)そのような利益相反がありうることについて発行会社は認識している旨、(ii)発行会社は自己責任で取引を行うべき旨、(iii)発行会社は情報の内容については自己責任で確認すべき旨を記した誓約書を取得したうえで紹介行為を行うような対応をされた方が安全です。さらに、ベンチャーキャピタルが有償で紹介契約を締結しているような場合や、社外取締役を派遣している場合は、契約上の善管注意義務違反や、取締役としての善管注意義務違反との関係も問題になるため、より慎重な対応が必要となります。作成日:2022年01月12日
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