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投資先の会社の取締役として当社の従業員を派遣するのですが、何かリスクはあるでしょうか。
取締役は会社の業務を執行する立場にあるため(会社法第348条)、一般的に会社の経営責任を負うことになり、任務を怠った場合には損害賠償責任を負う場合もあります(会社法第423条)。そのため、当該従業員が取締役として損害賠償責任を負う可能性があり、VCが投資先に対して経営責任を追及する場合、当該従業員の取締役としての責任を追及することにもなってしまい、事実上、投資先に対する経営責任の追及が困難となる場合がありえます。また、取締役を辞任したい時に、辞任により定款又は法令上の取締役の員数が不足してしまう場合、辞任をしても引き続き取締役としての権利義務を負うことに注意を要します(会社法第346条第1項)。その他、投資者との利益相反との関係で、当該従業員が投資先の取締役会で議案について表明する賛否の内容には注意する必要があることや、秘密保持との関係で、当該従業員が取締役として投資先から受領した情報は当然に派遣元である投資者に開示できる情報ではなく、開示をすると善管注意義務違反となる可能性があることにも注意が必要です。作成日:2022年01月12日
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