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匿名組合を利用していると、ベンチャー投資ファンドの組成について金融商品取引法上支障になる場合があると聞いたのですが、どういう問題があるのでしょうか。
※適格機関投資家等特例業務に関しては、改正法の施行による変更が予定されています(2015年6月現在)。ベンチャー投資ファンドの組成及び運用については、金融商品取引法上の第二種金融商品取引業及び投資運用業に該当するものとして、登録などの業規制があります。そのため、かかる規制の適用を受けない、適格機関投資家等特例業務としてファンドを組成及び運用するケースが多くなっています。適格機関投資家等特例業務の要件は複雑ですが、説明の便宜上大まかにいうと、LPとなる相手方が1名以上の適格機関投資家及び49名以下の一般投資家という条件があります。ここで、今から組成するファンド(Xファンド)に、組成済みのファンド(Aファンド)がLPとして参加したいというケースがあり得ますが、Aファンドに出資している一般投資家の数も通算して49名以下である等の要件を満たせば、それも可能となります。しかしながら、Aファンドが匿名組合である場合には、Aファンドの組合員全員が適格機関投資家である場合でなければ、Xファンドの適格機関投資家等特例業務の要件を充足することはできないものとされています。更に匿名組合の性質上、Xファンドに参加するのは、匿名組合という法主体ではなく、営業者である法人(A社とします。)となり、そのA社が匿名組合の営業者であるか否かは公示されていません。仮にA社がXファンドへの出資とは無関係の匿名組合を運営している場合でも、上記のルールは適用されることになっています。したがって、ファンドの組成にあたっては、出資者が匿名組合の営業者になっていないかどうかを確認することが重要となります。
作成日:2022年01月13日
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