第1 株式の引受
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1. 契約当事者
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投資者:●
発行会社:●
経営株主:●
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2. 発行及び取得
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A種優先株式●株を「Ⅰ. 発行概要及びA種優先株式の内容」に記載の条件で発行
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3. 発行決議
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・●年●月●日までに実施
・取締役会及び株主総会の議事録の写しを投資者に交付
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4. 払込手続
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払込期日等は「Ⅰ. 発行概要及びA種優先株式の内容」に記載のとおり
<払込後>
株券発行会社の場合…株券交付及び株主名簿の写しの交付
株券不発行会社の場合…株主名簿の写しの交付
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第2 表明保証
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5. 発行会社及び経営株主
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(1) 発行会社の設立及び資格
(2) 投資契約の有効性及び執行可能性
(3) 違反の不存在
(4) 資本構成
(5) A種優先株式の発行手続
(6) 定款、商業登記簿謄本、決算書等の文書の交付
(7) 登記事項
(8) 財務諸表等の適正
(9) 事業計画書
(10) 許認可及び法令の遵守
(11) 担保及び保証の不存在
(12) 所有権及び知的財産権等
(13) 税務申告
(14) 訴訟等の不存在
(15) 刑事罰の不存在
(16) 反社会的勢力等との関係の不存在
(17) 破産手続等の不存在
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6. 経営株主
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(1) 経営株主の権能
(2) 投資契約の有効性及び執行可能性
(3) 保有している株式について
(4) 兼任/兼職
(5) 刑事罰等の不存在
(6) 反社会的勢力等との関係の不存在
(7) 経営株主の経歴
(8) 破産手続等の不存在
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第3 払込前提条件
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7. 払込前提条件
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(1) 発行会社及び経営株主の表明保証の正確性
(2) 発行会社の財政状態に重大な悪影響を及ぼす事態の不発生
(3) 発行会社及び経営株主による(1)及び(2)の確認書面の交付
(4) A種優先株式の発行を決議した取締役会及び株主総会の議事録、投資契約の締結を承認した取締役会の議事録その他投資者が要求する書面の交付
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第4 発行会社の運営に関する事項
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8. 上場努力義務
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●年●月末日を申請基準決算期として●年●月末日までに上場を実現する発行会社及び経営株主の努力義務
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9. 資金使途
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取得資金は以下の目的に充当する。
(1) ●
(2) ●
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10. 取締役及びオブザーバーの選任
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・投資者による取締役1名の指名権
・投資者指名取締役の責任免除又は軽減措置の実施
・投資者によるオブザーバー1名の指名権
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11. 誓約事項
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(1) 適正な会計帳簿の維持
(2) 関連当事者との取引の適正(アームズレングス)
(3) 投資者からの質問への回答及び要求を受けた資料の提出
(4) 計算書類、税務申告書等の交付
(5) 最新の事業計画書の提出及び内容の解説
(6) 反社会的勢力等との関係遮断
(7) 法令、定款、社内規則等の遵守
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12. 重要事項の通知/事前承認
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投資者への事前通知及び投資者の事前承諾の取得
※ 事前承諾は、A種優先株式の一定数(2/3以上等)を保有する投資者の事前承諾等とすることも考えられる。
(1) 定款の変更
(2) 発行会社株式等の発行又は処分(但し、発行済総数の●%に相当するストックオプションの発行を除く。(3)も同じ)
(3) 投資者又は経営株主の持株比率に増減が生じる事項
(4) 合併、株式交換、株式移転、事業譲渡、事業譲受、会社分割
(5) 株式等売渡請求(会社法第179条の3第1項に定義するものを意味する。以下同じ。)の承認
(6) 役員の選任又は解任
(7) 投資に関する契約の締結、変更又は解除
(8) 発行会社の株式等の譲渡等に対する承認
(9) 解散又は破産、民事再生、会社更生、特別清算の申立ての決定
(10) 株式上場に関する公開予定時期、公開予定市場、引受主幹事証券会社、監査法人の決定又は変更
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13. 事後通知
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以下の事項が発生した場合は、速やかに投資者に通知
(1) 持株比率●%以上の株主の保有する発行会社株式等の異動
(2) 支払停止若しくは支払不能、手形若しくは小切手の不渡り、又は破産、民事再生、会社更生、特別清算の申立て
(3) 差押、仮差押、仮処分、強制執行又は競売の申立て
(4) 訴訟、仲裁、調停その他の紛争解決手続の提起若しくは終結又は司法上若しくは行政上の手続の開始
(5) 金融機関との取引停止
(6) 発行会社に対する合併、株式交換、株式移転、事業譲渡、事業譲受、会社分割その他企業再編、買収、資本提携等の提案
(7) 発行会社に対する株式等売渡請求
(8) 監督官庁による営業停止、営業許認可若しくは登録の取消処分、指導、又は調査
(9) 災害若しくは業務に起因する重大な損害又はかかる損害を招来するおそれのある事象
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14. 経営株主の専念義務等
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・投資者の承諾なく、取締役の辞任、再選拒否をしない。
・投資者の書面による事前承諾のない兼職及び兼任の禁止
・在任中及び退任後●年間の競業避止義務
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第5 株式関連事項
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15. 投資者の新株等引受権
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発行会社株式等を発行等する場合、投資者の持株比率に応じた引受権を投資者に付与
適用除外:発行済総数の●%に相当するストックオプションの発行
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16. 経営株主による株式等の譲渡
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経営株主の保有する発行会社株式等の譲渡、担保の設定、その他の処分の禁止
※ 投資者に優先買取権、譲渡参加権を与えて、その範囲で経営株主が株式を譲渡することができるように設計する場合もある。
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17. 投資者による株式の譲渡
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投資者は、発行会社株式等を譲渡できる。
※ 投資者が複数の場合は優先買取権、譲渡参加権を定める場合もある。
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18. 同時売却請求権
(Drag Along Right)
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投資者の総議決権の●%以上の単独または複数の投資者の要請[及び発行会社の取締役会の承認]があった場合は、全株主はM&A(株式譲渡、合併、株式交換、株式移転、会社分割等)に応じる。
※ 基本的に全株主と同意する必要がある。株主が多い場合は、別途合意書の形に分離することも検討する。
※ 発動要件として、一定の時期以降にしたり、一定の時価総額以上の場合に限定したりするケースがある。
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19. 投資者の優先受領権(みなし清算条項)
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M&Aの場合に、A種優先株式の保有者は、A種優先株式における優先残余財産の分配と同様の分配を受けることができる。
※ これは原則として種類株式を発行する場合のみ入れる。
※ 基本的に全株主と同意する必要がある。株主が多い場合は、別途合意書の形に分離することも検討する。
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第6 株式の買取り
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20. 買取義務
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発行会社及び[経営株主]は、以下の場合に[連帯して]株式買取義務を負う。
(1) 発行会社又は経営株主が投資契約に違反した場合
(2) 発行会社又は経営株主の表明保証が真実又は正確でなかった場合
※ 経営株主による株式買取義務は、投資契約の違反についての損害賠償は損害額の立証が困難であり実効性ないことが多いことから(例:取締役指名権を無視されても損害額の立証は困難)、契約違反について株式の買取りという明確なペナルティーを定めざるを得ないところ、日本の会社法では自己株式取得は財源規制等から難しいため、やむを得ず経営株主による買取義務が定められているケースが多い実情がある。
但し、公正取引委員会及び経済産業省が策定、公表した「スタートアップとの事業連携及びスタートアップへの出資に関する指針」https://www.meti.go.jp/press/2021/03/20220331010/20220331010.html 47頁以下には、経営株主等の個人に対する株式の買取請求権については、出資者からの出資を受けて起業しようとするインセンティブを阻害することとなる可能性等により、競争政策上望ましくないとの評価がなされている点に留意。
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21. 買取価額
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以下のうち投資者の指定する価額とする。
(1) A種優先株式の1株当たりの払込金額
(2) 財産評価基本通達に定められた「類似業種比準価額方式」に従い計算された1株当たりの金額
(3) 発行会社の直近の監査済貸借対照表上の簿価純資産に基づく発行会社の1株当たりの純資産額
(4) 発行会社の直近の株式の譲渡事例又は増資事例における1株当たりの譲渡金額又は株式発行価額
※ 株式買取請求の実効性を確保するには買取価額の明確化が必要であり、現在の日本のベンチャー投資では上記の形で定められるケースが多い。
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第7 一般条項
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22. 損害賠償等
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契約違反(表明保証の虚偽を含む。)に伴う発行会社及び経営株主の損害賠償責任(連帯責任)
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23. 有効期間
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投資契約終了事由
(1) 株式上場
(2) 発行会社の解散(合併による解散を除く。)
(3) 投資者が発行会社株式等を全く保有しなくなった場合
(4) 投資者が契約終了に同意した場合
(5) 投資者が払込期日経過後に株主とならなかった場合
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24. その他一般条項
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公表、秘密保持、他の契約の制限、費用負担、通知方法、譲渡禁止、準拠法、裁判管轄等
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