知的財産関連紛争の対応
上場企業の方へ
企業において、特許権、商標権、著作権等の知的財産権に関する紛争が生じることがあります。自らの知的財産権を侵害する相手に対して、その侵害行為をやめさせ、場合によっては損害賠償を請求する場合があり、逆に、相手方から、知的財産権を侵害しているとして事業の停止や損害賠償の請求を受ける場合もあります。
知的財産権は、産業や文化の保護及び発展のために独占的な権利として認められたものであり、強力な権利であることから紛争の結果も事業の停止や多大な損害賠償責任など重大なものとなるケースがあります。そのため、かなり慎重に対応する必要があります。また、知的財産権の紛争に関しては、単なる法律論のみではなく、技術的な観点から侵害の有無を検討する必要があり、事案が複雑化するケースが多く、会社側の技術者のサポートを受けつつ、弁護士と弁理士が共同で対応する必要が生じることもあります。
AZXでは、グループ内に弁護士のみならず、弁理士も在籍していることから、弁護士と弁理士にて共同で紛争案件について対応することが可能です。知的財産権関連紛争に関して、相手方との交渉のみならず、訴訟、仮処分等の保全手続の対応も行っております。
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自社の製品が他社の特許に抵触するとの警告を受けてしまいました。どのように対応すればよいでしょうか。
まずは、他社の特許が有効に存続しているか、正当な権利者からの警告かどうかを確認します。また、どんな特許なのか内容を把握します。その上で、本当に自社の製品が他社の特許に抵触するかどうかを検討します。抵触する可能性がないと判断される場合は、その旨を回答すればよいでしょう。一方、抵触する可能性がある場合は、自社の製品を設計変更する余地はないか、他社の特許を無効にできる可能性はないか、他社から特許ライセンスを受ける余地はあるかなどについて慎重に検討し、対策を考えます。
以上が典型的な対応方法ですが、検討すべき事項はかなり専門的な内容になりますから、警告を受けたら速やかに弁理士に相談することをお勧めします。そのために、すぐに相談できる弁理士と日ごろから関係を構築しておくのが良いでしょう。
作成日:2022年01月12日 -
当社の販売しているゲームと完全にコンセプトが一致するゲームが販売されたのですが、当社の著作権が侵害されたものと考えて良いでしょうか。
著作権法上の保護を受ける著作物は具体的な「表現」であり(著作権法第2条第1項第1号)、ゲームの場合には、絵や文章やプログラム等が著作物に該当することとなります。アイディアやコンセプトは「表現」ではないため、著作権法上の保護を受ける著作物に該当しません。従って、コンセプトが一致しているのみでは著作権侵害とはなりません。
作成日:2022年01月12日 -
サイト制作会社に作成してもらった当社のサイトについて、使用されている画像について、その著作者と名乗る人から無断使用であるとのクレームを受けました。どのように対応すべきでしょうか。
サイト制作会社がその画像を無断で使用してしまっていた場合は、そのまま使用すると著作権侵害となってしまうため、使用を中止する必要があります。サイト制作会社がオリジナルで作成したものであり、たまたま類似したに過ぎないような場合には、著作権侵害にはなりませんが、サイト制作会社側の状況を確認し切れない面もあるため、安全をとって使用をやめるか否かを検討することになります。使用を中止せざるを得なくなった場合のサイト制作会社への対応については、著作権侵害であるのか、安全をとって中止する場合であるのか、また制作会社との契約条件等に応じて個別に検討する必要がありますが、契約の定めがない場合、サイト完成から1年以上経過するとやり直し等を請求できなくなる可能性があります(民法637条)。
作成日:2022年01月12日 -
当社の著作物を無断で使用している会社を発見しました。損害賠償を請求しようと考えているのですが、どのようにして請求する金額を決定すれば良いのでしょうか。
著作権が侵害された場合、不法行為に基づく損害賠償請求を行うことが可能です(民法第709条)。著作権侵害の場合には、著作権者に発生する損害を算定することが困難な場合が多く、著作権法上損害の推定(みなし)規定が定められているため(著作権法第114条)、かかる規定に基づいて損害を算定するのが一般的です。概要は下記のとおりです。
① 著作権法第114条第1項
著作権者が販売する物の単位数量当たりの利益額に、侵害者が販売したものの数量を乗じた額をもって損害額とするものです。但し、著作権者が侵害者の販売数量を販売することができないときはその数量に応じた額を減額するものとされています。
② 著作権法第114条第2項
侵害者が得ている利益の額を損害額と推定するものです。
③ 著作権法第114条第3項
著作権者のライセンス料に相当する額を損害額とみなすものです。
なお、上記のような損害の推定(みなし)規定は、他の知的財産権に関する法律でも規定されています(商標法第38条、特許法第102条、実用新案法第29条、意匠法第39条)。
作成日:2022年01月12日 -
競合他社が、当社の製品と酷似している名称の製品を販売しています。当社は、自社製品について商標を取得しておりませんが、このような場合において、競合他社に対して何らかの請求を行うことはできないのでしょうか。
商標登録がなされていない場合でも、競合他社の行為が①周知表示混同惹起行為(不正競争防止法第2条第1項第1号)又は②著名表示冒用行為(同法第2条第1項第2号)の要件を満たす場合には、差止等の請求(同法第3条)及び損害賠償請求が可能です(不正競争防止法第4条)。①及び②の具体的な要件については、下記のとおりです。
① 周知表示混同惹起行為
(i) 貴社の商品等表示が需要者の間に広く認識されていること
(ii) 競合他社が(i)の商品等表示と同一又は類似の表示を使用していること
(iii) (ii)が貴社の商品又は営業と混同を生じさせるおそれがあること
② 著名表示冒用行為
(i) 貴社の商品等表示が著名であること
(ii) 競合他社が(i)の商品等表示と同一又は類似の表示を使用していること
作成日:2022年01月12日 - すべてを表示
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