デュー・ディリジェンス及びショートレビュー

ベンチャーキャピタルの方へ

ベンチャー投資にあたり、投資前に対象会社の状況を慎重にチェックすることは重要です。対象会社のビジネスの発展性や経営力のみならず、法務及び会計面で問題が発生していないかをチェックすることは、その後の投資の維持及びExitの確保の面から極めて重要であるといえます。

そもそもビジネスモデルが法令に抵触している可能性もあり、また、過去に重大な法令違反等があり治癒できないものがあればIPOが難しい可能性もあります。また、特に設立間もないベンチャー企業においては会計処理が適切に対応できていない場合もあり、会社の説明する財務状況が正しいか検証を行っておく必要があります。投資後に問題が判明しても、財務状況などの面から株式の買取請求等が実効的でない場合もあり、投資前に問題を把握して、投資の可否を慎重に検討する必要があります。

AZXでは、投資にあたっての法務デュー・ディリジェンスや、会計デュー・ディリジェンス/ショートレビューについて対応を行っております。
特に、多数のベンチャー企業をサポートしている経験と証券会社のIPO引受審査をサポートしている経験に基づき、IPOを前提に投資をした場合に、何がどの程度問題になるのか、その問題を治癒するにはどうした良いのかなどについてアドバイスを行っております。

関連するナレッジ
  • デューディリジェンスで問題が判明した場合はどうすべきでしょうか。
    ①投資の前提として当該事項を修正させ、問題がない旨を投資契約で表明保証させる、②当該事項の修正を投資契約上の払込の前提条件とする、③投資後一定期間内の修正を投資契約で義務づける、のいずれかとなります。重要な事項であれば、①又は②の対応が必要となります。
  • 交渉中の投資契約の表明保証条項に反する事項が既にデューディリジェンスで判明しているのですが、このまま契約を締結したらどうなるでしょう。
    実際に締結された投資契約の表明保証条項に反する事実の存在について、投資家が悪意又は重過失である場合には、発行会社の表明保証違反責任が認められないとの裁判例があります。このため、投資契約において投資者がデューディリジェンス等で知り得た情報は、発行会社の表明保証責任を減免しない旨を明記しておくことが考えられます。もっとも、表明保証条項は隠れた問題がないことの確認が基本的な趣旨であり、上記のような規定が有効とは断定できないため、判明した問題についてはきちんと修正等の対応をとらせることが望まれます。
  • 既存の投資家との投資契約のデューディリジェンスについては、何が重要なチェックポイントになるでしょうか。
    細かい事項にわたって既存投資家の同意が必要であるなど、発行会社を過度に束縛する内容になっていないかを確認することになります。また、株式の譲渡に関する先買権や譲渡参加権が規定されている場合、自社が締結する予定の投資契約の先買権等と抵触する可能性が高いため、その点も確認する必要があります。また、いわゆる最恵待遇の条項(他の投資家に自己よりも強い権利を付与できないこと、仮に付与した場合には自己にも同様の権利を付与したとみなす旨の規定を意味します。)の存否についても、確認が必要です。
  • 財務デューディリジェンスの必要性をおしえてください。 
    M&Aやベンチャー投資において、買い手や投資家は、決算書やヒアリングにより対象会社の財務内容を知るしかありません。しかし、決算書に記載されている資産の評価が適切でないかもしれない、負債が洩れなく計上されていないかもしれない、売上や利益が誤っているかもしれないといったリスクがあります。財務デューディリジェンスは、このようなリスクを事前に明確にし、買収、投資しようとしている対象の適正な価値を算定するために必要となります。
  • 財務デューディリジェンスの利用目的をおしえてください。
    一般的には次の情報の提供を目的として実施されます。
    ・ 適正な買収価格の決定のための情報
    ・ 買収スキームの立案のための情報
    ・ 買収前後の統合計画の検討のための情報
    ・ 売買契約書に入れるべき条項を決定するための情報・ 最終的な買収金額の調整を検討するための情報
  • 財務デューディリジェンスのポイントをおしえてください。
    財務デューディリジェンスのポイントは次の通りです。
    ① 一般的事項の調査
    ・ 会社の会計方針と会計処理の確認
    ・ 財務会計に係る内部統制の整備状況の確認
    ・ 関係会社や同族関係者との取引関係の把握
    ② 純資産額の調査
    ・ 重要な資産の実在性及び評価の妥当性の把握
    ・ 不要資産、遊休資産の把握
    ・ 重要な簿外債務、偶発債務の有無の確認
    ③ 収益力の調査
    ・ 重要な得意先との取引内容・取引条件の把握
    ・ 将来発生が見込まれる特別損益項目の確認
    ④ キャッシュフローの調査
    ・ 預金、貸付金の金額と回収期日の把握
    ・ 借入金の金額と返済期限の把握
    ・ 過去の設備投資の状況と今後の設備投資の内容の確認
  • ショートレビューとは何ですか。
    一般的にショートレビューとは、公認会計士等が一週間程度の短期間に、株式公開にあたっての課題を集中的に調査し、課題の改善方法および、それを踏まえた公開までの具体的なスケジュール等を提案するものです。また、ベンチャーキャピタルが財務デューディリジェンスを目的として行うものも広義にはショートレビューに含まれます。
  • ショートレビューにおける調査内容をおしえてください。
    ショートレビューの内容は会社によって異なりますが、一般的には次の事項を調査します。
    ① 公開の時期や公開市場の選択
    ・ 過年度の損益状況の分析
    ・ 事業計画
    ② 経営組織体制・内部管理体制の整備状況
    ・ 経営組織体制の整備状況
    ・ 販売管理、購買管理等の内部管理体制の整備状況
    ・ 月次決算、予算管理
    ③ 会計管理制度の整備状況
    ・ 会計制度の整備状況
    ・ 原価計算の整備状況
    ④ 関係会社・特別利害関係者との取引状況
    ・ 関係会社の状況及び取引関係
    ・ 役員、株主の状況及び取引関係
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